インフラエンジニアのVPS徹底比較

Windowsが提供するクラウドコンピューティングWindows Azure

Amazonが提供するクラウドコンピューティング・サービス「Amazon Web Services（AWS) EC2/S3」がとても有名であるが、 Windowsも同様のクラウドコンピューティングサービスがある。それが、Winows Azureである。

Windows Azure は、マイクロソフトが提供するオープンで柔軟なクラウド プラットフォームです。 このプラットフォームを利用すると、マイクロソフト が管理するデータセンターのグローバル ネットワーク上で、アプリケーション を簡単に作成、デプロイ、管理できます。
アプリケーションの作成には、 C#、VB といった .NET 言語以外にも Java、PHP、Python、Ruby on Rails、Objective-C が利用できるほか、Eclipse や Xcode 用の開発環境や Android/iOS 用のツールキットも用意されています。
IaaSとしては、Windows Server と Linux のサポートし、多くの既存ワークロードを稼動可能で、オンプレミスと仮想マシンの移動 も可能です。

Windows Azureクラウドコンピューティング機能

Winows Azureには、「仮想マシン」、「Webサイト」、「モバイルサービス」、「クラウドサービス」がある。

Iaas	仮想マシン	・AWS EC2と同様の仮想マシンを提供 ・Windows ServerとLinuxをサポート ・多くの既存ワークロードを稼働可能 ・オンプレミスと仮想マシンの連携可能
Paas	Webサイト	・共用サーバと同様のサービスで、さらに自由にスケールできる。 ・Webサイト構築に最適なサービス ・オープン、ソース、ソフトの活用 ・無償で開始可能、成長に合わせて利用可能
	モバイルサービス	・高機能なモバイルアプリケーションを作成するためのフレームワーク iOSを含むマルデバイスに対応し，構造化ストレージ，ユーザー認証，プッシュ通知といった機能を簡単に組み込むことができるほか，サーバーサイドの機能を代用できる部分が多いのも特徴です。
	クラウドサービス	Webページに特化したWebサイトから，さらにもう一歩踏み込んでPaaSを使う環境。

Windows Azureの仮想マシン

これまで Windows Azure ではクラウド サービスや SQL データベースといった PaaS としての機能を提供してきましたが、Windows Azure 仮想マシンでは Hyper-V をベースとした IaaS としての機能を提供します。
このWindows Azureの仮想マシンサービスを利用した場合、Windows Server だけでなく Linux の環境を、そのまま Windows Azure 上に展開することが出来るため、オンプレミス上の既存のコードを変更せずにアプリケーションやインフラストラクチャを Windows Azure にそのまま移行できます。

Windows Azureの仮想マシンの評価

率直な感想は、ネットワーク周りがAmazonと比べて弱いと言えます。

その他、Windows Azureの仮想マシンとAmazonのEC2は、監視機能が貧弱であり、さらに、一般的に言われているほど安価でもありません。最近は、複数台構成ができるVPSもあり、VPSとAzure/Amazon EC2の差がなくなっています。
そのためAzureの仮想マシンやAmazonのEC2検討時はVPSも比較検討した方がいいです。
ただしAmazonEC2のオートスケール機能やWeb APIによる操作は魅力的に感じますが、 Azureの仮想マシンにもオートスケール機能があるかどうかは不明です。
ただし、AzureのWebサイトでは、オートスケール機能があり設定も簡単です。


■Windows Azureの運用・監視レベル比較
Windows Azureはリソース監視や外部からのHTTP応答監視ができる。 しかしすべてが機械的な監視であり、人を介した監視運用ができず、手順書による一次障害復旧対応ができてません。

　VPS　＜　Azureの仮想マシンやAmazonのEC2　＜　日本版クラウドサービス

※VPSとAzure/Amazonの差はさほどない。
※仮想マシン/AmazonのEC2と日本版クラウドサービスの差は大きい。
　GMOやIIJ,NCI、BBTが提供する日本版クラウドサービスは、運用・監視が充実しており、安定稼動を求めるシステムに向いている。

Windows AzureのWebサイト

Windows AzureのWebサイトは、Web サーバーや .NET Framework、PHP、MySQL といった Web サイトを制作する際に必要なコンポーネントが予め準備されている。WordPress など各種 OSS アプリがインストール済みの環境を選択でき、Webの知識がない人でも容易に更新作業を行うことができます。

■Webサイトの提供する機能の比較 Webサイトの提供する種類は、「無料」、「共有」、「占有」があります。

機能	無料	共有	占有
サイト	サブ地域あたり100	サブ地域あたり100
ストレージ	サブ地域あたり1G		サブ地域あたり10G
ストレージ トランザクション	無料
データベース	サブ地域あたり20MBのMySQLデータベース
受信 データ転送	無料
送信 データ転送	サブ地域当り165MB/日 (最大5G/地域)に制限	最初の５GB以降 は標準の従量課金
CPU	日に最大で60分のCPUサイクル	1日最大で240分のCPUサイクル	専用のCPUインスタンス
料金	無料	1.08円/時間(プレビュー) 1.67円/時間(一般公開)	6.65~26.58円/時間(プレビュー) 9.97~39.86円/時間(一般公開)

【Windows Azureから見たトラフィック】

　送信＝Webサイトからインターネットへのデータ転送
　受信＝インターネットからWebサイトへのデータ転送

Windows AzureのWebサイトの評価

AzureのWEBサイトは、一般的な共用ホスティングサーバ(レンタルサーバ) のような感じでお手軽にサイトを構築できます。
■AzureのWEBサイトの特徴

・OS、ミドルウェアの設定は触れられない分、簡単に構築ができる。
・オートスケール機能があり、CPUの負荷状態に合わせ、サーバ台数を増やすことができる。
　　キャンペーンサイト等に最適。
・PHP,Mｙｓｑｌが使えるので、動的ページも可能。
・Wordpressが簡単に構築ができように、準備されている。