インフラエンジニアのVPS徹底比較

VPS(仮想専用サーバー)の契約前に確認すること

VPS(仮想専用サーバー)を契約後に、想定外の費用が発生することがあります。
今回は、VPS(仮想専用サーバー)特有の事から専用サーバ、共用サーバなどのホスティングサービス全般で発生しうる問題について説明します。

契約後に発生する想定外

・導入したウィルス対策ソフトが正常に動作しなかった
・セキュリティ対策が一切されていなかった
　（FWが存在しない、存在してもフルオープンがデフォルトとなっているなど）
・障害を検知できずに長時間放置してしまった
・障害時にホスティング会社と連絡がとれなかった
・更新・解約時の注意事項を把握しておらず、いざ解約時に多額の解約費用が発生した
・インターネット回線の転送容量に制限があった
・SSL証明書を使ったサイトが１つしか運営できなかった

■導入したウィルス対策ソフトが正常に動作しなかった
VPSの場合、仮想化エンジンによりウィルス対策ソフトがインストールできなかったり、正常動作しない場合があります。
そのため常駐型ウィルス対策ソフトではなく非常駐型(スケジューリングされたフルスキャンなど)ウィルス対策ソフトを導入することをおすすめします。
どうしても常駐型ウィルス対策ソフトをインストールする必要がある場合は、完全仮想化である仮想化エインジン（ESXiやKVM）を選択すれば、正常に動作する可能性が高いです。
(可能であれば、VPS無償期間を利用して確かめましょう)
各VPS(仮想専用サーバー)が採用している仮想化エンジンの特徴についてはこちらへ


■セキュリティ対策が一切されていなかった
　（FWが存在しない、存在してもフルオープンがデフォルトとなっているなど）
　VPSの場合、ネットワーク機器のFWがないことが多いので、サーバ側でセキュリティを確保する必要があります。
　またFWがあったとしても、こちらから指示をしない限りオープンになっていることもあるので確認が必要です。
　※共用サーバと違いVPSは、OSのセキュリティ設定は、契約者側で設定する必要があります。
こちらの「各VPSのサービス/機能比較（セキュリティ）」で各VPSのセキュリティサービス状況を確認してみてください
　各VPSのセキュリティに関する比較内容：
　　IPS/IDS/ADS、VPN、ウィルス除去、メールウィルス除去、ファイル改ざん、脆弱性診断
　　設定代行サービス


■障害を検知できずに長時間放置してしまった
　各VPSによっては、監視サービスが非常に弱いため、十分な監視ができていないことが多いです。
　こちらの「各VPSのサービス/機能比較（監視)」で各VPSの監視サービスを確認してみてください
　各VPSの監視に関する比較内容：
　　監視、障害対応


■障害時にホスティング会社と連絡がとれなかった
　VPSに限ったことではなくホスティングサービス全般に言えることですが、土日と平日夜に連絡がとれないホスティング会社が多いです。
　こちらの「各VPSのサービス/機能比較（サポート)」で各VPSのサポートを確認してみてください
　各VPSのサポートに関する比較内容：
　　問合せ窓口(受付時間)、バックアップ、監視、障害対応


■更新・解約時の注意事項を把握しておらず、いざ解約時に多額の解約費用が発生した
　解約のどのくらい前に解約申請が必要であるか、契約途中の違約金などを把握しておく必要があります。
　

■インターネット回線の転送容量に制限があった
　インターネット回線の転送量に上限がある場合、超えた際のルールを確認しておく必要があります。


■SSL証明書を使ったサイトが１つしか運営できなかった
　SSL証明書を使ったHTTPSサイトは、割り当てられたグローバルIPアドレスの数分しか運営できません。
　そのため、割り当てられるグローバルIPアドレスの数は、事前に確認する必要があります。
　こちらの「各VPSのサービス/機能比較（IP追加)」で各VPSのサポートを確認してみてください

【VPSをおすすめする利用シーン】

下記の環境をお探しの方にVPS環境をおすすめします。
　■共用サーバより自由度を求めるシステム
　　柔軟な設定、任意のミドルウェア導入など
　■安価で自由度のあるシステム
　■とにかく早くシステムを立ち上げたい場合
　■１台構成で完結するシステム
　■BCP/DR対策としてのVPS活用
　■開発環境としてのVPS活用
　■FX自動売買(MetaTraderなど)環境としてのVPS活用